3.1 SIerモデルの実態

日本特有のIT産業構造

日本のIT産業は「SIer(システムインテグレーター)」を頂点とした多重下請け構造が特徴である。この構造は建設業界に似ており、「ITゼネコン」とも呼ばれる。欧米では企業が自社でITエンジニアを雇用し、システム開発を内製化するのが一般的である。一方、日本ではIT人材の約7割がITベンダー側に所属し、ユーザー企業側には約3割しかいない。この構造が固定化した背景には、日本の終身雇用制度や、「ITは外部に任せるもの」という経営層の認識がある。元請けは顧客との折衝や管理業務が中心となり、下流に行くほど技術的な作業を担当するという分業が進んでいる。

多重下請け構造の流れ 発注企業(ユーザー企業)
 ↓ 発注
元請け(大手SIer:NTTデータ、富士通、NEC等)
 ↓ 下請け発注
二次請け(中堅SIer)
 ↓ 下請け発注
三次請け、四次請け...(中小IT企業、SES)
 ↓
実際にコードを書くエンジニア
参考・免責事項
本記事は2025年1月時点の情報に基づいています。統計データや調査結果は時期により変動します。