1.2 IT投資の非効率性
IT投資額と配分
日本企業のIT投資額は決して少なくない。しかし、その多くが「守りのIT」(既存システムの維持・運用)に費やされ、「攻めのIT」(新規ビジネス創出・競争力強化)への投資は限定的である。経済産業省の調査によると、日本の民間IT投資額は年間約15兆円規模であり、GDP比でも先進国と大きな差はない。問題は「金額」ではなく「使い方」にある。レガシーシステムの維持に多大なコストがかかり、新しいことに投資する余力が残らない「技術的負債」の悪循環に陥っている。
日本企業のIT予算配分
維持・運用(守りのIT):約80%
新規開発・DX(攻めのIT):約20%
※欧米企業では攻めのIT比率が40〜50%とされる
新規開発・DX(攻めのIT):約20%
※欧米企業では攻めのIT比率が40〜50%とされる
投資効果の低さ
IT投資のROI(投資対効果)においても、日本企業は欧米企業に比べて低い傾向にある。システムの複雑化・老朽化により、投資の多くが現状維持に消費されている。投資効果が低い主な要因として、長年の改修でシステムが複雑化していること、場当たり的な対応で保守性が低下していること、ベンダー依存により自社で判断できないこと、要件定義が曖昧なまま丸投げすることが挙げられる。この悪循環を断ち切るには、技術的負債の可視化と段階的なモダナイゼーションが必要である。
参考・免責事項
本記事は2025年1月時点の情報に基づいています。統計データや調査結果は時期により変動します。
本記事は2025年1月時点の情報に基づいています。統計データや調査結果は時期により変動します。