2.1 モニターの基礎

Monitor Basics

モニターの役割

モニターはPCの出力を視覚的に表示する機器であり、作業効率と目の健康に直結する最重要デバイスの一つである。1日8時間以上画面を見続ける場合、モニターの品質は長期的な健康にも影響する。

投資対効果が高い理由 モニターは5〜10年使用できる耐久性があり、PC本体を買い替えてもそのまま使い続けられる。長期的に見ると、良いモニターへの投資は費用対効果が高い。

パネルの種類

液晶モニターのパネルには主に3種類があり、それぞれ特性が異なる。

パネル 色再現 視野角 応答速度 価格
IPS ◎ 優秀 ◎ 広い ○ 普通 やや高い
VA ○ 良好 ○ 普通 △ やや遅い 中程度
TN △ やや劣る △ 狭い ◎ 速い 安い

IPS(In-Plane Switching)

色再現性と視野角に優れ、どの角度から見ても色の変化が少ない。デザイン作業、写真編集、一般的な作業に最適。現在の主流パネル。

VA(Vertical Alignment)

コントラスト比が高く、黒の表現が得意。映画鑑賞や暗いシーンの多いゲームに向く。ただし応答速度がやや遅い製品が多い。

TN(Twisted Nematic)

応答速度が最も速く、競技向けゲーミングモニターに採用される。ただし視野角が狭く、色再現性も劣る。価格は最も安い。

迷ったらIPS 特別な理由がなければIPSパネルを選ぶのが無難。現在は価格も下がり、応答速度も改善されている。

有機EL(OLED)

液晶とは異なり、画素自体が発光する方式。近年モニター市場にも普及し始めている。

特性 有機EL 液晶
黒の表現 ◎ 完全な黒 ○ グレーがかる
コントラスト ◎ 無限大 ○ 1000:1〜3000:1
応答速度 ◎ 0.1ms以下 ○ 1ms〜5ms
焼き付き △ リスクあり ◎ なし
輝度 ○ 普通 ○ 普通〜高い
価格 高い 安い〜中程度
焼き付きに注意 有機ELは同じ画像を長時間表示すると焼き付き(残像)が発生するリスクがある。タスクバーやアイコンなど固定要素が多いPC作業では注意が必要。

画面サイズ

モニターサイズは対角線の長さをインチで表す。用途と設置スペースに応じて選択する。

サイズ 推奨解像度 用途
21〜24インチ FHD(1920×1080) 省スペース、サブモニター
27インチ WQHD(2560×1440) 汎用、最も人気
32インチ 4K(3840×2160) 広い作業領域、映像制作
34インチ〜(ウルトラワイド) UWQHD(3440×1440)等 マルチタスク、動画編集
サイズと解像度の関係 同じ解像度でも画面サイズが大きくなると画素密度(ppi)が下がり、文字がぼやけて見える。27インチならWQHD以上、32インチなら4Kが推奨される。

アスペクト比

画面の横と縦の比率。用途によって最適な比率が異なる。

アスペクト比 特徴 用途
16:9 標準的な横長 汎用、ゲーム、動画視聴
21:9(ウルトラワイド) 横に広い 動画編集、マルチタスク
32:9(スーパーウルトラワイド) 27インチ×2相当 トレーディング、開発
16:10 縦がやや長い 文書作業、Web閲覧

基本用語

解像度

画面を構成する画素(ピクセル)の数。横×縦で表す。数値が大きいほど精細な表示が可能。

リフレッシュレート

1秒間に画面を書き換える回数。単位はHz(ヘルツ)。60Hzなら1秒間に60回更新。高いほど動きが滑らかに見える。

応答速度

画素の色が変化するのにかかる時間。単位はms(ミリ秒)。低いほど残像が少ない。

輝度

画面の明るさ。単位はcd/m²(カンデラ毎平方メートル)またはnit。250〜350cd/m²が一般的。

コントラスト比

最も明るい白と最も暗い黒の明るさの比。1000:1なら白が黒の1000倍明るい。高いほどメリハリのある映像。

このページのまとめ
モニターはパネルの種類(IPS/VA/TN)、画面サイズ、解像度の組み合わせで選ぶ。迷ったらIPSパネルの27インチWQHDが汎用性が高い。有機ELは高画質だが焼き付きリスクがある。