1.2 人間工学と健康

Ergonomics and Health

人間工学(エルゴノミクス)とは

人間工学(エルゴノミクス)とは、人間の身体的・心理的特性に合わせて道具や環境を設計する学問である。PC環境においては、長時間の作業でも疲労を最小限に抑え、効率的に作業できる環境を構築することを目指す。

人間工学の3つの目標
  • 安全性 - 怪我や健康被害を防ぐ
  • 効率性 - 作業効率を最大化する
  • 快適性 - 身体的・精神的な負担を軽減する

正しい姿勢

PC作業における正しい姿勢の基本を示す。

部位 推奨角度・位置
目とモニター 目線がモニター上端と同じか少し上、距離は50-70cm
まっすぐ、前傾しない
リラックスして下げる、すくめない
90度以上、机と同じ高さ
手首 まっすぐ、曲げない
背もたれにしっかり当てる
90度以上、足裏が床につく

PC作業による健康問題

VDT症候群

VDT(Visual Display Terminal)症候群は、長時間のPC作業により引き起こされる症状の総称である。

  • 目の症状 - 眼精疲労、ドライアイ、視力低下
  • 身体の症状 - 肩こり、首痛、腰痛、腱鞘炎
  • 精神の症状 - 頭痛、イライラ、不眠

予防策

20-20-20ルール 20分ごとに、20フィート(約6m)先を、20秒間見る。目の疲れを軽減する効果がある。
  • 1時間に1回は立ち上がってストレッチ
  • 適切な照明環境(画面と周囲の明るさの差を減らす)
  • まばたきを意識する(PC作業中は減少しがち)
  • 適切な室温・湿度の維持

人間工学に基づく機器選び

各カテゴリで人間工学的な観点から重要なポイントを示す。

機器 人間工学的ポイント
モニター 高さ・角度調整、フリッカーフリー、ブルーライト軽減
キーボード キーストローク、チルト角度、パームレスト
マウス 手のサイズに合った形状、重量バランス
チェア ランバーサポート、座面の高さ・奥行き調整
デスク 高さ調整(昇降式)、十分な奥行き
このページのまとめ
人間工学に基づいた環境設計により、健康被害を防ぎながら効率的に作業できる。正しい姿勢を維持できる機器を選び、定期的な休憩を取ることが重要。