6.3 契約・権利帰属

Contracts and Rights Attribution

開発委託と著作権

ソフトウェア開発を外部に委託する場合、著作権の帰属を契約で明確にする必要がある。契約がなければ、原則として受託者(開発会社)に著作権が帰属する。

パターン著作権帰属特徴
著作権譲渡委託者全ての権利を取得、自由に利用可能
ライセンス許諾受託者許諾範囲内で利用可能、他社案件への転用に注意
共有両者利用・処分に相手方の同意が必要

契約で定めるべき事項

開発契約では以下の点を明確にしておく。

  • 著作権の帰属(譲渡か許諾か)
  • 著作者人格権の不行使
  • 既存著作物(受託者の既存ライブラリ等)の取り扱い
  • 第三者の著作物(OSS等)の利用許諾
  • 納品後の改変・二次利用の範囲
著作権譲渡の特則 著作権法第61条第2項により、契約で明示しない限り、翻案権と二次的著作物の利用権は譲渡されたと推定されない。「すべての著作権」という表現では不十分な場合がある。

フリーランスとの契約

個人のフリーランスに開発を依頼する場合、職務著作は適用されないため、契約での権利処理が特に重要となる。

注意点 口頭の合意や曖昧な契約は、後のトラブルの原因となる。著作権の帰属は書面で明確に定めること。

まとめ

本サイトでは、IT開発者が知っておくべき著作権の基礎知識を解説した。著作権は複雑な分野であり、具体的な問題については専門家への相談を推奨する。

継続的な学習と、日常業務での意識的な実践が、著作権トラブルの予防につながる。

参考文献
[1] 経済産業省「情報システム・モデル取引・契約書」
[2] 著作権法 第61条