1.2 著作物の種類

Types of Copyrighted Works

著作物の定義

著作権法において、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されている(第2条第1項第1号)。

著作物の要件

1. 思想又は感情:単なるデータや事実は含まない

2. 創作的に表現:ありふれた表現ではない独自性

3. 表現したもの:アイデアそのものは保護されない

プログラムの著作物

プログラムは著作権法で明示的に著作物として保護される(第10条第1項第9号)。ただし、保護されるのは「表現」としてのコードであり、アルゴリズムやプログラミング言語そのものは保護対象外である。

保護される 保護されない
ソースコードの具体的な記述 アルゴリズム(手順・方法)
プログラムの構造・構成 プログラミング言語
コメント・ドキュメント インターフェース規約
実務上の注意 同じアルゴリズムでも、異なる表現で書かれたコードはそれぞれ独立した著作物となりうる。逆に、アルゴリズム自体を保護したい場合は特許出願を検討する必要がある。

データベースの著作物

データベースは、その「情報の選択又は体系的な構成」に創作性があれば著作物として保護される(第12条の2)。個々のデータではなく、データの集め方や整理の仕方が保護対象となる。

保護の範囲

  • データの選択基準に独自性がある場合
  • データの分類・配列に工夫がある場合
  • 検索システムの設計に創作性がある場合

二次的著作物

二次的著作物とは、既存の著作物を翻訳、編曲、変形、翻案などして創作された著作物である(第2条第1項第11号)。二次的著作物を作成するには、原著作物の著作権者の許諾が必要となる。

IT分野での例

原著作物 二次的著作物の例
英語のドキュメント 日本語翻訳版
オープンソースソフトウェア フォーク・派生版
APIドキュメント 要約・チュートリアル

編集著作物

編集著作物は、素材の選択や配列に創作性がある編集物である(第12条)。Webサイトのコンテンツ構成やリンク集なども、選択・配列に創作性があれば編集著作物となりうる。

参考文献
[1] 著作権法 第2条、第10条、第12条、第12条の2
[2] 文化庁「著作物について」