1.1 著作権の概要
Overview of Copyright
著作権とは
著作権とは、著作物を創作した者(著作者)に法律上認められる権利の総称である。小説、音楽、絵画といった伝統的な著作物に加え、プログラムやデータベースもその対象となる。
著作権法 第1条(目的)
この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
— 著作権法(昭和45年法律第48号)
無方式主義
日本の著作権法は「無方式主義」を採用している。これは、著作物を創作した時点で自動的に著作権が発生することを意味する。特許や商標のように、登録や申請の手続きは不要である。
実務上のポイント
登録が不要であるため、誰がいつ創作したかの証明が難しい場合がある。重要な著作物については、タイムスタンプの付与や公証役場での確定日付取得などで、創作日を証明できるようにしておくことが望ましい。
| 権利 | 発生方式 | 有効期間 |
|---|---|---|
| 著作権 | 創作と同時に自動発生 | 著作者の死後70年 |
| 特許権 | 出願・審査・登録が必要 | 出願から20年 |
| 商標権 | 出願・審査・登録が必要 | 10年(更新可能) |
保護期間
著作権の保護期間は、原則として著作者の死後70年である(2018年の法改正により、50年から延長)。法人著作物や映画の著作物には異なるルールが適用される。
保護期間の計算
- 個人の著作物:著作者の死亡した年の翌年1月1日から70年
- 法人著作物:公表した年の翌年1月1日から70年
- 映画の著作物:公表した年の翌年1月1日から70年
注意
保護期間が満了した著作物は「パブリックドメイン」となり、自由に利用できる。ただし、著作者人格権(氏名表示権など)は期間の制限なく保護される点に注意が必要である。
著作権と他の知的財産権
著作権は知的財産権の一種であり、特許権、商標権、意匠権などと並ぶ。IT分野では、これらが重複して関わる場面も多い。
| 権利 | 保護対象 | IT分野での例 |
|---|---|---|
| 著作権 | 創作的表現 | ソースコード、UI設計、ドキュメント |
| 特許権 | 技術的アイデア | アルゴリズム、ビジネスモデル |
| 商標権 | 商品・サービスの識別標識 | サービス名、ロゴ |
| 意匠権 | 製品のデザイン | 画面デザイン(画像意匠) |
参考文献
[1] 文化庁「著作権制度の概要」
[2] 著作権法(昭和45年法律第48号)
[1] 文化庁「著作権制度の概要」
[2] 著作権法(昭和45年法律第48号)