インフルエンザ2025年調査|例年より早い流行と最新の予防・治療情報

インフルエンザ2025年調査|例年より早い流行と最新の予防・治療情報

更新日:2025年11月26日

2025年のインフルエンザは、例年より約2ヶ月早い9月下旬から流行が始まり、11月には全国的に警報レベルを超えています。今年は40℃以上の高熱を出す方も多く、A型が中心となっている点が特徴的です。個人的にも周囲で感染者が増えてきたことから、最新の流行状況や予防・治療法について調査してみました。同じようにインフルエンザ対策を考えている方の参考になれば幸いです。

2025年インフルエンザの特徴と流行状況

2025年のインフルエンザは、例年とは異なる特徴を見せています。厚生労働省の発表によると、2025年9月下旬には全国の定点当たり報告数が流行開始の目安である1.00を超え、流行シーズン入りが確認されました。通常、日本のインフルエンザ流行は11月下旬から12月上旬に始まることが多いため、約2ヶ月も早い立ち上がりとなっています。

早期流行の原因

今シーズンの早期流行には、いくつかの要因が考えられています。まず、夏場の猛暑により窓を閉め切ってエアコンを使用する期間が長く、換気不足の状態が続いたことが指摘されています。また、海外からの人の往来が活発になり、流行地域からウイルスが持ち込まれたことも一因とされています。

2025年インフルエンザ流行の経緯
9月下旬:全国で流行シーズン入り確認
10月:定点報告数が急増、ワクチン接種開始
11月:全国的に警報レベルを超える状況

今シーズンの流行株

2025年夏の南半球(オーストラリアなど)ではA(H1N1)型が多く検出されており、北半球である日本でも同様の傾向が予測されています。南半球の冬の流行状況は、その後の北半球での流行を予測する上で重要な指標となります。A(H1N1)型は、基礎疾患のない比較的若い方でも肺炎などを合併して重症化するケースがあるため、注意が必要です。

インフルエンザの型について
季節性インフルエンザはA型、B型、C型に分類されます。A型は38度以上の高熱、悪寒、筋肉・関節痛などが特徴で、B型は消化器症状(腹痛・下痢など)を伴うことがあります。一般的にA型の方がB型に比べて症状が急激に現れ、しんどいと感じるケースが多いとされています。

症状・感染経路と風邪との違い

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症します。感染後1〜3日の潜伏期間を経て、突然症状が現れるのが特徴です。2025年は40℃以上の発熱や強い全身倦怠感があらわれる方が多く報告されています。

主な症状

インフルエンザの症状は急激に現れます。朝は元気だったのに、昼頃から急に高熱が出て体が痛くて起き上がれないといった経過をたどることが典型的です。発症から3日目までが最もつらい時期で、その後7〜10日ほどで落ち着くことが多いとされています。

症状 インフルエンザ 風邪
発症 急激 緩やか
発熱 38〜40℃以上 37〜38℃程度
全身症状 強い(倦怠感・筋肉痛・関節痛) 軽度
呼吸器症状 後から出現 初期から(鼻水・咳・喉の痛み)
頭痛 強い 軽度

感染経路

インフルエンザは主に飛沫感染と接触感染によって広がります。咳やくしゃみ、唾液などの飛沫と共にウイルスが飛散し、それを鼻腔から吸入することで感染します。また、ウイルスが付着した物を手で触り、その手で目や鼻、口を触ることでも感染する可能性があります。1人の感染者から平均1〜3人に感染が広がるとされており、感染力の強さがうかがえます。

重症化リスクが高い方

インフルエンザは多くの場合、適切な対処で回復しますが、一部の方は重症化するリスクがあります。主な合併症として肺炎、脳症、心筋炎などがあり、重篤な場合は生命に関わることもあります。

特に注意が必要な方
65歳以上の高齢者、5歳未満の乳幼児、妊婦、呼吸器疾患・心臓病・腎臓病・糖尿病などの基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方は、感染すると重症化しやすいため、早めのワクチン接種と早期受診が重要です。

予防対策と治療法

インフルエンザは予防ができる感染症です。ワクチン接種を基本とした予防策と、発症時の適切な治療について整理しました。

ワクチン接種

インフルエンザ予防の最も効果的な方法は、予防接種を受けることです。ワクチンは接種後約2週間で効果が出始め、1ヶ月後にピークを迎え、4〜5ヶ月程度効果が持続するとされています。予防接種をしてもインフルエンザにかかる可能性はありますが、重症化や合併症を防ぐという点で効果は十分にあります。2025年は流行が早いため、できるだけ早めの接種が推奨されています。

日常的な予防対策

感染予防のポイント

  • 手洗い:外出後や食事前は石鹸で丁寧に洗う
  • マスク着用:人混みや閉鎖空間では特に有効
  • 室内の加湿:湿度50〜60%を保つと喉の粘膜の防御機能が維持される
  • 換気:定期的に窓を開けて空気を入れ替える
  • 十分な睡眠と栄養:免疫力を維持するための基本

治療薬について

インフルエンザと診断された場合、抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。これらの薬は発症から48時間以内に服用することで、ウイルスの増殖を抑え、症状の軽減や重症化の予防につながります。現在、日本で使用されている主な治療薬は以下の通りです。

薬名 タイプ 投与期間 特徴
タミフル 内服 5日間 最も実績があり第一選択薬
リレンザ 吸入 5日間 気道に直接作用
イナビル 吸入 1回 単回吸入で治療完了
ゾフルーザ 内服 1回 新しい作用機序、耐性に注意
ラピアクタ 点滴 1回 経口摂取が困難な場合に使用
受診のタイミング
インフルエンザが疑われる症状が出たら、発症から12〜48時間の間に医療機関を受診することをお勧めします。早すぎると検査でウイルスが検出されにくく、遅すぎると抗インフルエンザ薬の効果が出にくくなります。また、発熱時は無理をせず安静にし、水分補給を心がけてください。

感染した場合の対応

インフルエンザに感染した場合は、周囲への感染拡大を防ぐことも重要です。発症後5日間かつ解熱後2日間(幼児は3日間)は外出を控え、自宅で療養することが推奨されています。同居家族がいる場合は、マスクの着用、こまめな換気、タオルや食器の共有を避けるなどの対策を取りましょう。

参考・免責事項
本記事は2025年11月26日時点の情報に基づいて作成されています。個人差があるため、効果を保証するものではありません。記事内容は個人的な考察に基づくものであり、専門的な判断については医療機関にご相談ください。症状が気になる場合や判断に迷う場合は、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

参考:厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」、東京都感染症情報センター、日本感染症学会「インフルエンザ診療の手引き」