クリンスイハイグレード浄水カートリッジ考察2025|HGC9S vs MDC01S・除去性能の選定ガイド
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浄水カートリッジの浄水能力グレード体系
クリンスイの浄水カートリッジは「グレード」で分類される
クリンスイの蛇口直結型浄水カートリッジは、除去対象物質の数によって異なるグレードに分類されています。最高グレードは17~19物質除去のハイグレード、中位グレードは13~15物質除去のスタンダード、エントリーグレードは11物質除去のベーシックという構成です。この区分は、カートリッジそのものの性能を示す指標となり、本体機能(液晶表示やデザイン)よりも重要です。
ハイグレード(17~19物質除去)の対象物質
ハイグレードカートリッジが除去する物質は、日本の水道水基準で定められた17物質に加えて、浄水器協会基準の2~3物質を追加除去しています。特に重要なのは、溶解性鉛やトリハロメタン全種などの神経毒性リスクが高い物質です。これらは基準値以下でも、慢性的な摂取により脳神経に影響を与える可能性があるため、ハイグレードカートリッジの選択は家族の長期的な健康維持に直結しています。
クリンスイのハイグレードカートリッジはすべてPFOS・PFOA除去試験済みです。これらの永遠の化学物質(PFAs)は、近年基準値の引き下げが進む有機フッ素化合物で、カートリッジ選定における必須要件となっています。
グレード別の構成と除去物質数
ハイグレード(HGC9S・MDC01S)は17+2~17+3物質除去。スタンダード(MDC03S)は13+2物質除去。エントリーグレード(CBC06)は11+3物質除去です。この数字の差は、使用するろ過材の質と層数の違いに由来しており、ろ過能力に直結しています。特にハイグレードでは、中空糸膜フィルター、活性炭、セラミック、イオン交換繊維の組み合わせが採用されています。
カートリッジは浄水器の「心臓部」です。本体がどれほど高機能でも、カートリッジのグレードが低ければ浄水性能は制限されてしまいます。
HGC9S vs MDC01S:ハイグレードカートリッジ詳細比較
本体型番とカートリッジの対応表(必読)
「HGC9S」と「MDC01S」がどの本体に対応しているのかを明確にするために、対応表をご確認ください。異なるシリーズのカートリッジは装着できません。
| シリーズ | 対応するカートリッジ | 対応本体型番 |
|---|---|---|
| CSPシリーズ | HGC9S (17+3 = 20物質除去) |
CSP901、CSP801i、CSP801、CSP811 |
| CSP701、CSP601、CSP602、CSP501、CSPX、CSP9、CSPUD、CSP1、CSP2、CSP3 | ||
| MONOシリーズ | MDC01S (17+2 = 19物質除去) |
MD301i、MD301、MD201、MD101 |
| MD102、MD103、MD111 |
お手持ちの浄水器本体の型番(背面や説明書で確認)と、上表を照らし合わせてください。CSPシリーズ用とMONOシリーズ用のカートリッジは互換性がありません。誤ったカートリッジを購入すると装着できないため、ご注意ください。
2つのハイグレードカートリッジの基本情報
クリンスイの蛇口直結型ハイグレードカートリッジには、2つの主要製品があります。HGC9SはCSPシリーズ用、MDC01SはMONOシリーズ用です。どちらも高度な浄水能力を備えていますが、対応機種と販売ルート、微細な性能差に違いがあります。
HGC9S:CSPシリーズ用ハイグレードカートリッジ
HGC9Sは、17+3物質除去(合計20物質)のハイグレードカートリッジです。900L/3ヶ月の交換目安を持ち、CSP901やCSP501などのCSPシリーズ本体に対応しています。特にCSP901の液晶計量機能と組み合わせることで、100cc単位での水量管理が可能になります。
除去対象物質は、遊離残留塩素(カルキ臭)、クロロホルム・ブロモジクロロメタン等のトリハロメタン全種、溶解性鉛、農薬(CAT)、2-MIB(カビ臭)、テトラクロロエチレン・トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物、濁り・雑菌、鉄・アルミニウムなどの微粒子です。
HGC9Sの選定ポイント
- CSPシリーズ本体との組み合わせが前提:HGC9SはCSPシリーズにのみ対応しており、他のシリーズには使用できません。
- 20物質除去は業界最高クラス:17+3の物質除去は、蛇口直結型の中でも最上位レベルです。
- 窓付きで汚れ確認可能:カートリッジに窓があり、フィルターの汚れ状況が目視できます。
- Amazon・楽天・公式ストア等で広く販売:入手性が高く、単品購入から定期配送まで選択肢が豊富です。
MDC01S:MONOシリーズ用ハイグレードカートリッジ
MDC01Sは、17+2物質除去(合計19物質)のハイグレードカートリッジです。900L/3ヶ月の交換目安はHGC9Sと同じですが、MONOシリーズ(MD101-NC、MD103など)に対応しています。HGC9Sとの違いは、除去物質数が1つ少ない(20 vs 19)点と、対応シリーズが異なる点です。
MDC01Sも同じく中空糸膜フィルターを採用しており、除去対象物質はHGC9Sとほぼ同等です。実際の使用感における味わいやろ過速度については、両者ともほぼ同等と評価されています。
MDC01Sの選定ポイント
- MONOシリーズ本体と統一設計:MD101-NCなどのMONOシリーズとの組み合わせが標準です。
- メタリックボディ本体との相性が良い:MONOシリーズのシンプルで高級感あるデザインに適しています。
- 窓付き・窓なしの2バリエーション:MDC01Sは汚れ確認窓付き、MDC03Sは窓なしの廉価版があります。
- 定期配送で安定供給が可能:公式ストアの定期配送サービスに対応しており、3ヶ月ごとの自動配送が便利です。
HGC9S vs MDC01S 性能比較表
両カートリッジの詳細な比較を示します。20物質除去(HGC9S)と19物質除去(MDC01S)の差は、実際の使用では微細ですが、水質へのこだわりがある場合はHGC9Sの優位性があります。
| 比較項目 | HGC9S | MDC01S |
|---|---|---|
| 対応シリーズ | CSPシリーズ | MONOシリーズ |
| 除去物質数 | 17+3 = 20物質(最高) | 17+2 = 19物質(最高) |
| 総ろ過流量 | 900L / 3ヶ月 | 900L / 3ヶ月 |
| フィルター技術 | 中空糸膜+活性炭+セラミック+イオン交換繊維 | 中空糸膜+活性炭+セラミック+イオン交換繊維 |
| PFOS/PFOA対応 | ○ 除去試験済み | ○ 除去試験済み |
| 窓付きバリエーション | ○ 標準装備 | ○ 標準装備(MDC03Sは窓なし) |
| 販売ルート | Amazon・楽天・家電量販店・公式ストア | Amazon・楽天・公式ストア・定期配送 |
| 参考価格(1個) | 約3,500~3,800円 | 約3,500~3,800円 |
| 定期配送対応 | 一部販売ルートで対応 | ○ 公式ストアで対応 |
除去物質数の微細な差の実質的な意味
HGC9SとMDC01Sの除去物質数の差(20 vs 19)は、実際の使用における水質改善体感度に大きな影響を与えません。両者が除去する物質には、神経毒性物質である鉛やトリハロメタン、カビ臭の原因物質が含まれており、これらは完全に共通しています。差異の1物質は、副次的な物質の除去差です。
つまり、水の美味しさやカルキ臭除去の効果については、ほぼ同等と判断して問題ありません。選択の際は、対応する本体機種や販売ルートの利便性を優先して判断することが合理的です。
カートリッジ選定ガイド・用途別推奨モデル
CSPシリーズ本体をお使いの方
CSP901やCSP501をお持ちの方は、HGC9Sを選択してください。これらの本体とHGC9Sは統一設計されており、液晶機能やカートリッジ交換検知システムが最適に動作します。特にCSP901の場合、液晶の計量機能によって100cc単位での水量管理が可能になるため、料理での活用が最大化されます。
MONOシリーズ本体をお使いの方
MD101-NCやMD201などのMONOシリーズ本体をお持ちの場合は、MDC01S(ハイグレード)を選択してください。メタリックボディの高級感あるデザインと、ハイグレード性能の組み合わせにより、キッチンに統一感が生まれます。初めて浄水器を購入する方にも、MDC01Sはハイグレード入門として推奨できます。
カートリッジ交換管理の方法
両カートリッジ共に3ヶ月ごとの交換が推奨されています。年間4個のカートリッジが必要となり、定期購入か単品購入かを選択できます。公式ストアの定期配送サービスを利用すれば、交換時期を自動で検知して配送してくれるため、うっかり交換忘れを防ぐことができます。
年間ランニングコストの試算
HGC9S、MDC01S共に単価は約3,500~3,800円です。年間4個必要なため、年間ランニングコストはおよそ14,000~15,200円となります。1日あたりの浄水コストは約38~42円となり、ペットボトル水よりもはるかに経済的です。
実践的な購入・使用のチェックリスト
カートリッジ購入前の確認事項
- 本体機種の確認:CSPシリーズ用か MONOシリーズ用か、またはそれ以外のシリーズかを確認してください。
- 対応カートリッジ型番の確認:HGC9S、MDC01S、MDC03Sなど、型番が異なると装着できません。
- 購入ルートの選択:単品購入、まとめ買い、定期配送など、利用頻度に応じて選択してください。
- PFOS/PFOA対応の確認:商品説明に「PFOS/PFOA除去試験済み」と表記されていることを確認してください。
- 公式ストアの利用:偽造品を避けるため、クリンスイ公式ストアからの購入を推奨します。
カートリッジの保管と交換のコツ
カートリッジは開封前なら常温保管で大丈夫ですが、開封後は速やかに本体に装着してください。交換の際は、古いカートリッジを回して取り外し、新しいカートリッジをしっかり装着すれば完了です。多くの機種は工具不要で交換できます。
まとめ:ハイグレードカートリッジの選定基準
クリンスイのHGC9SとMDC01Sは、どちらも業界トップクラスのハイグレード性能を備えています。20物質除去か19物質除去かという微細な差よりも、現在お使いの本体機種との互換性、定期配送の利便性、価格の良さなどを総合的に判断することが重要です。
最も大切なのは、カートリッジを3ヶ月ごとに確実に交換し、常に最高の浄水性能を維持することです。「基準値以下だから安全」という考え方を超え、鉛やトリハロメタンなどの神経毒性物質に確実に対応するハイグレードカートリッジを選択することが、家族の長期的な健康維持に直結しています。
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