第1章 ITプロジェクトの基礎
Fundamentals of IT Projects
章の概要
ITプロジェクトを成功に導くためには、まず「プロジェクトとは何か」を 正確に理解することが重要である。本章では、プロジェクトの基本的な 定義と特性を学び、なぜ多くのITプロジェクトが困難に直面するのか、 そしてどのようにすれば成功確率を高められるのかを探る。
| セクション | 内容 | 学習時間目安 |
|---|---|---|
| 1-1 プロジェクトとは | プロジェクトの定義、一時性と独自性、定常業務との違い、構成要素 | 20分 |
| 1-2 ITプロジェクトの特性 | 技術的複雑性、変化への対応、成果物の見えにくさ、コミュニケーション | 25分 |
| 1-3 成功要因と失敗要因 | 成功の定義、統計データ、失敗パターン分析、重要成功要因(CSF) | 30分 |
| 1-4 ステークホルダー | ステークホルダー分析、権力/関心グリッド、エンゲージメント戦略 | 25分 |
学習目標
本章を学習することで、以下のことができるようになる。
| # | 学習目標 |
|---|---|
| 1 | プロジェクトと定常業務の違いを説明できる |
| 2 | ITプロジェクト特有の課題を理解し、対策を検討できる |
| 3 | プロジェクトの成功・失敗要因を分析できる |
| 4 | ステークホルダーを特定し、適切な対応戦略を策定できる |
キーコンセプト
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| プロジェクト | 独自の成果を創造するために実施される一時的な活動 |
| スコープ | プロジェクトで実施する作業と成果物の範囲 |
| ステークホルダー | プロジェクトに影響を与える、または影響を受ける関係者 |
| CSF(重要成功要因) | プロジェクト成功に不可欠な要素 |
| 技術的負債 | 短期的な効率を優先した結果、将来返済が必要となる技術的な妥協 |
セクション一覧
1-1 プロジェクトとは
プロジェクトの定義(一時性・独自性)、定常業務との違い、 スコープ・制約条件・前提条件などの構成要素、 プログラムとポートフォリオの概念を学ぶ。
1-2 ITプロジェクトの特性
技術の多様性と急速な変化、要件の流動性、 成果物の見えにくさ、コミュニケーションの重要性など、 IT分野特有のプロジェクト特性を理解する。
1-3 成功要因と失敗要因
プロジェクト成功の多面的な定義、統計データに基づく現状分析、 よくある失敗パターン、成功確率を高めるCSFを学ぶ。
1-4 ステークホルダー
ステークホルダーの種類と分類、権力/関心グリッドによる分析、 エンゲージメント戦略、対立管理の手法を習得する。
まずは「1-1 プロジェクトとは」から順に学習を進めてください。 各セクションには演習問題も含まれています。