大葉の花観察記録2025|シソの花穂と秋の味覚
大葉の花観察記録2025|シソの花穂と秋の味覚
更新日:2025年10月18日
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大葉(シソ)の基本情報
植物としての基本データ
大葉は、シソ(紫蘇、学名: Perilla frutescens var. crispa)の青ジソの別名です。シソ科シソ属の芳香性の一年草で、中国大陸原産ですが、日本でも古くから栽培されてきました。
草丈:70~100センチメートル
花期:7月~9月(晩夏)
原産地:中国大陸
分布:中国、ベトナム北部、韓国、日本
別名:青ジソ、大葉
赤ジソと青ジソ
シソには大きく分けて赤ジソと青ジソがあります。本来、「紫蘇」とは赤ジソのことを指し、青ジソはその変種です。赤ジソは梅干しの色付けやシソジュースに使われ、青ジソ(大葉)は薬味や刺身のつまとして食用にされます。
日本では縄文時代の遺跡からもシソが発掘されており、古くから生育していたことが分かります。中国後漢末期の名医「華佗」が食中毒の治療に使ったことから、蘇りの薬草として世に広められ、「紫蘇」と名付けられたと伝えられています。
茎と葉の特徴
茎は四角形で直立し、高さ1メートル程になります。葉は対生に付き、長い柄があり、広卵形で先端は尖っています。縁には鋸歯があり、品種によっては葉が縮れる場合もあります。葉は柔らかく、さわやかでよい香りが特徴です。
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大葉の花の特徴と開花
短日植物としての性質
大葉(シソ)は代表的な短日植物です。短日植物とは、日照時間が短くなるのを感じて花芽をつける性質の植物のことです。秋が近づくと花芽分化を起こして栄養生長から生殖生長へ移行し、やがて花穂が出てきて開花・結実します。
5月:種まき・植え付け
6月後半~:葉の収穫開始
7月~9月:花期(とう立ち)
9月~10月:花穂紫蘇の収穫
10月~:実(シソの実)の収穫
秋:種子が自然に落ちる
翌春:落ちた種子から発芽
花の色と形
花序は総状花序で、白から紫色の花が多数できます。青ジソ(大葉)は主に白い花を咲かせ、赤ジソはピンク色の花を咲かせます。花は一つ一つは小さくても、穂のようにまとまると美しい形を示し、そっとした甘い香りを漂わせます。
| 種類 | 花の色 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 青ジソ(大葉) | 白色 | 薬味、刺身のつま、花穂紫蘇 |
| 赤ジソ | ピンク色 | 梅干しの色付け、シソジュース、花穂紫蘇 |
虫を引きつける花
シソの花は虫を引きつける力があり、自然の中での生態系にも重要な役割を果たしています。花が咲くと、ハチなどの昆虫が訪れて受粉を助けます。開花期間は短く、季節のうつろいとともに早く姿を消してしまいます。
花を観賞したい方は、7月から9月の開花時期に注意が必要です。花穂が次々と開花するため、毎日少しずつ花が咲いていく様子を観察できます。
花穂紫蘇の楽しみ方
花穂紫蘇とは
9月頃からとう立ちする大葉の花穂は、「花穂紫蘇」として食用にされます。刺身のつまとして食べられ、秋の限られた時期にしか味わえない贅沢な食材です。「花穂紫蘇」として流通しているのは、主にピンク色の花の赤ジソですが、白い花の青ジソの花穂も食用にできます。
収穫のタイミング
花穂紫蘇を摘む際には、花が満開の僅か前が最も風味が高まるタイミングです。摘み取る時は、優しく指で摘み、痛めないよう注意します。また、日の出直後に摘むことで、夜露で潤った花のフレッシュな風味を保つことができます。
花穂紫蘇の料理への活用
- 刺身のつま:伝統的な使い方。彩りと香りを添える
- サラダのトッピング:見た目の美しさと独特の香りを加える
- カナッペ:クリームチーズと混ぜてワインのおつまみに
- ドレッシング:刻んで混ぜ込むことで華やかさを添える
- おにぎり:微細に刻んで混ぜ込むと見た目も楽しい
シソの実の楽しみ方
花が終わると、実(種子)ができます。シソの実は醤油などに漬けるのが定番のレシピです。おにぎり、チャーハン、パスタ、素麺など、様々な料理に使える食欲が進む調味料になります。
保存方法
摘んだ後は、花穂紫蘇をできるだけ早く使うか、冷蔵保存をして鮮度を保持しましょう。保存する場合は、湿気を避け、冷蔵庫で密閉容器やプラスチック袋に入れて保管すると良いでしょう。鮮度が落ちると風味が損なわれるため、早めの利用がおすすめです。
花言葉と文化的意味
シソの花言葉は「力が蘇る」「善良な家風」「強い信念」とされています。その由来はシソの生命力の強さから来ています。シソは病害虫に強く、育てやすい植物であることから、農家にも愛されてきました。
「健康」という意味もあります。これはシソが食用や薬用として、古くから人々の健康を支えてきたことに由来しています。防腐作用や殺菌作用があることが知られており、日本の食文化に深く根ざしている植物です。
家庭菜園での栽培
大葉は家庭の庭やベランダでも簡単に栽培できます。一度育つとたくさんの葉が茂り、収穫してもわき芽から次々と葉が生えてきます。こぼれ種でも発芽し、まいた記憶もない場所から生えてきたりもします。
種まきは5月上旬頃が適期です。十分な日光と適切な水やりが重要です。病害虫に強く、有機肥料を上手に利用することで、より健康な大葉を育てることができます。
大葉の花は、夏の終わりから秋の始まりを告げる季節の使者です。薬味として使う葉だけでなく、花穂や実も余すことなく楽しめる大葉。家庭菜園で育てれば、季節の移ろいとともに、葉、花、実と、長い期間その恵みを味わうことができます。
本記事は2025年10月18日時点の情報に基づいて作成されています。記事内容は個人的な考察に基づくものであり、専門的な判断については植物学や園芸の専門家にご相談ください。食用にする場合は、農薬の使用状況などを確認し、安全性に十分注意してください。
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