AIの能力が急速に向上する中、「AIは本当に理解しているのか」という根本的な問いが再び注目を集めています。この問いは、1980年代から哲学者たちが議論してきた「弱いAI」と「強いAI」という分類に深く関わっています。個人的な関心から、John Searleの「中国語の部屋」論証や意識のハードプロブレムなど、AIの本質をめぐる哲学的議論を調査・考察してみました。大規模言語モデル(LLM)の登場により再燃したこの議論について、同じように関心をお持ちの方の参考になれば幸いです。
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カテゴリー: 科学哲学
ChatGPTをはじめとする対話型AIの普及により、私たちの思考プロセスそのものが変化しつつあることが複数の研究で示唆されています。2025年に発表されたMIT Media Labの脳波研究やMicrosoft・カーネギーメロン大学の共同研究は、AIへの過度な依存が批判的思考力の低下を招く可能性を実証的に明らかにしました。一方で、AIを適切に活用すれば思考を補強できるという知見も得られています。本記事では、認知科学の観点から「認知的オフローディング」という概念を中心に、AIとの対話が言語思考に与える影響について考察してみました。AIと共存する時代において、思考の自律性をいかに維持するかを検討する際の参考になれば幸いです。
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