生態系機能・物質循環・環境応答の多階層解析
淀川流域生態系は、河川・湿地・河畔林・草地が複合した動的なモザイク構造を呈し、多様な生物群集と環境要因の相互作用により特徴づけられる。年変動・季節変動する水文レジーム、都市化・農業による栄養塩負荷、気候変動による攪乱頻度変化等が、生態系の構造・機能・サービスに複合的影響を与えている。本研究では、生態系生態学・景観生態学・地球化学の統合的アプローチにより、システム全体の動態を定量評価する。
km²(研究対象域)
類型(河川・湿地・森林等)
地点(長期観測)
項目(物理・化学・生物)
淀川流域は、河川チャンネル・氾濫原・段丘・丘陵の4階層構造を持ち、各階層で異なる環境勾配と生物群集が形成される。垂直方向の水・栄養塩移動と水平方向の生物移動により、階層間の物質・エネルギー交換が活発に行われている。
河川水文と植生動態の相互作用メカニズム
m³/s(枚方地点)
mm
生元素循環と植物群集の動的相互作用
kg N/ha/年
kg N/ha/年
温暖化シナリオ下での生態系応答予測
2100年予測
/10年早期化
個別研究領域の成果を統合し、淀川流域生態系の全体像を包括的に理解する。特に人為的攪乱下での生態系の抵抗性(resistance)・復元力(resilience)・適応能力(adaptability)を定量評価し、持続可能な管理指針を提案している。
Shannon H'(群落依存)
CV⁻¹(変動の逆数)
景観レベル連結度
機能群多様性
複数の環境変化シナリオ(気候変動・土地利用変化・外来種侵入)を組み合わせた統合影響評価により、2050年・2100年の生態系状態を予測。最適な適応戦略の科学的根拠を提供する。