外来植物による多階層の生物多様性変化とその定量化
本研究では、生物多様性を種多様性(α, β, γ多様性)、遺伝的多様性、機能的多様性、系統的多様性の4つの階層で評価し、淀川流域における外来植物の影響を包括的に解析した。1990-2023年の33年間の時系列データと1,247地点の空間データを用いて、多様性変化の時空間パターンと駆動要因を定量化した。
地点平均種数の減少率
情報量的多様性の低下
優占度の増加(均等性低下)
群集に占める外来種の割合
1990年と2023年の群集類似度比較により、流域レベルでの生物群集の均質化が進行:
広域分布する外来種による群集の画一化:
Moran's I 統計量による空間パターン解析:
マイクロサテライト解析による20年間の遺伝的変化追跡:
Landscape genetics解析による遺伝的連結性評価:
Quantitative genetics手法による適応能力変化:
Principal Component Analysis(PCA)による形質空間の定量化:
形質空間の体積減少
形質分布の偏重化
極端形質の消失
平均形質距離の減少
生態系機能の安定性に関わる機能群の構造変化:
EDGE(Evolutionary Distinct and Globally Endangered)スコアによる保全優先度:
系統情報を考慮した群集間類似度評価:
個体群存続性解析(PVA)による将来絶滅リスク:
2010-2023年に実施された28復元地での成果: