はじめに
GitHub MCPは、ClaudeからGitHubを直接操作できる強力なツールです。リポジトリ管理、ファイル操作、プルリクエスト作成、Issue管理など、GitHubのあらゆる操作をClaudeから実行できます。
このガイドで学べること
- GitHub MCPのセットアップ方法
- 基本的なGitHub操作の自動化
- 実践的な使用例とワークフロー
- トラブルシューティング
主な機能
- リポジトリ管理: 作成・フォーク・クローン
- ファイル操作: 読み取り・作成・更新・削除
- プルリクエスト: 作成・レビュー・マージ
- Issue管理: 作成・更新・ラベル付け
- コミット履歴: 履歴確認・差分表示
- プロジェクト管理: ボード操作・タスク管理
セットアップ手順
1. GitHubパーソナルアクセストークンの作成
GitHub MCPを使用するには、適切な権限を持つアクセストークンが必要です。
- GitHubにログインし、右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「Settings」→「Developer settings」→「Personal access tokens」→「Fine-grained tokens」を選択
- 「Generate new token」をクリック
- トークン名を入力(例:claude-mcp-token)
- 有効期限を設定(推奨:90日)
- 必要な権限を選択(下記の表参照)
- 「Generate token」をクリックしてトークンを作成
重要
生成されたトークンは一度しか表示されません。必ず安全な場所にコピーして保管してください。
必要な権限設定
Repository permissions
- Contents: Read/Write(ファイルの読み書き)
- Pull requests: Read/Write(PR作成・更新)
- Issues: Read/Write(Issue管理)
- Actions: Read(ワークフロー確認)
- Metadata: Read(リポジトリ情報取得)
Account permissions
2. GitHub MCPのインストール
npmを使用してGitHub MCPサーバーをインストールします。
npm install -g @modelcontextprotocol/server-github
インストールが完了したら、バージョンを確認します:
mcp-server-github --version
3. Claude Desktop設定ファイルの更新
claude_desktop_config.json
にGitHub MCPの設定を追加します。
{
"mcpServers": {
// 既存の設定...
// GitHub MCP設定を追加
"github": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-github"
],
"env": {
"GITHUB_TOKEN": "ghp_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
}
}
}
}
セキュリティのベストプラクティス
本番環境では、トークンを環境変数から読み込むことを推奨します:
"GITHUB_TOKEN": "${GITHUB_TOKEN}"
4. 動作確認
Claude Desktopを再起動し、GitHub MCPが正しく動作するか確認します。
- Claude Desktopを再起動
- 「GitHubで私のリポジトリ一覧を表示してください」と入力
- リポジトリ一覧が表示されれば成功です
設定完了!
GitHub MCPの設定が完了しました。これでClaudeからGitHubを操作できるようになりました。
実践的な使用例
例1: 新機能の開発フロー
リポジトリに新機能用のブランチを作成し、READMEを更新してプルリクエストを作成します。
入力例:
my-projectリポジトリに新機能用のブランチを作成し、READMEを更新してプルリクエストを作成してください
Claudeは以下の手順で自動的に実行します:
- 新しいブランチ feature/new-feature を作成
- README.md ファイルを更新
- プルリクエストを作成
例2: Issue管理とタスク自動化
"bug"ラベルが付いた未解決のIssueを確認し、それぞれに対してブランチを作成します。
入力例:
"bug"ラベルが付いた未解決のIssueを確認し、それぞれに対してブランチを作成してください
Claudeは以下の手順で自動的に実行します:
- バグ関連のIssueを検索
- 各Issueに対して修正用ブランチを作成(fix/issue-15, fix/issue-18 など)
例3: コードレビューとマージ
プルリクエストのコード変更を確認し、問題なければマージします。
入力例:
PR #23のコード変更を確認し、問題なければマージしてください
例4: リポジトリのフォークと機能実装
既存リポジトリをフォークして、新しい機能を実装します。
入力例:
github.com/example/node-starter リポジトリをフォークして、ログイン機能を実装してください
例5: バグの分析と修正
バグレポートを分析し、関連コードを確認して修正します。
入力例:
バグレポート #42 を分析して、修正案を提案してください
基本的なGit操作のClaudeでの実現
従来のGitコマンドラインでの操作をClaudeから自然言語で実行できます。
よく使われる操作例
- リポジトリ作成: 「新しいリポジトリ『project-name』を作成してください」
- ブランチ作成: 「feature/login-formブランチを作成してください」
- ファイル更新: 「README.mdを更新して、インストール手順を追加してください」
- プルリクエスト: 「変更をmainブランチにマージするPRを作成してください」
- Issue管理: 「バグラベルの付いたIssueを確認してください」
- ブランチ管理: 「feature/paymentブランチをdevelopにマージしてください」
高度な活用方法
自動化ワークフローの例
- 定期的なドキュメント更新: APIドキュメントの自動生成とコミット
- Issue駆動開発: Issueから自動的にブランチとPRのテンプレート作成
- コード品質管理: PRのコードレビューと改善提案
- リリース管理: CHANGELOGの自動生成とタグ付け
トラブルシューティング
問題: "Authentication failed" エラー
解決策:
- トークンが正しくコピーされているか確認
- トークンの有効期限と必要な権限を確認
- 環境変数が正しく設定されているか確認
問題: リポジトリにアクセスできない
解決策:
- プライベートリポジトリの場合、トークンに適切な権限があるか確認
- リポジトリ名やオーナー名が正しいか確認
セキュリティの注意事項
推奨事項
- トークンは最小限の権限で作成し、定期的にローテーションする
- トークンを設定ファイルに直接書かず、環境変数を使用する
- 公開リポジトリにトークンを含む設定ファイルをコミットしない
まとめ
GitHub MCPの設定が完了しました。Claudeから直接GitHubを操作することで、コード管理、プロジェクト運営、自動化など、様々な場面で開発効率を大幅に向上させることができます。