ボロノイ図とは
ボロノイ図(Voronoi diagram)は、平面上の点の集合(母点またはサイトと呼ばれる)に対して、各母点に最も近い点の集合からなる領域(ボロノイセルまたはボロノイ領域と呼ばれる)への分割です。 1908年にロシアの数学者ゲオルギー・ボロノイによって定式化されました。 各ボロノイセルは凸多角形となり、セル内の任意の点は、他のどの母点よりもそのセルの母点に最も近いという性質を持ちます。
操作方法
- キャンバス上をクリック:新しい母点を追加 (最大数はJS内で設定)
- マウスホイール(またはピンチ操作):点の数を増減 (JSでの実装が必要)
- 各ボタンでボロノイ図、ドロネー三角分割、点の表示/非表示を切り替え
- アニメーションボタンで母点の動きのオン/オフを切り替え
- カラーモードと速度スライダーで見た目と動きを調整
ドロネー三角分割
ドロネー三角分割(Delaunay triangulation)は、与えられた点群に対する三角形分割で、ボロノイ図と密接に関連しています(双対グラフの関係)。 重要な特性は「空の外接円規準」で、どの三角形の外接円も内部に他の点を含まないというものです。 この特性により、細長い三角形を避け、比較的均整の取れた三角形分割が得られるため、有限要素法、地形モデリング、メッシュ生成など、コンピュータグラフィックスや科学計算の分野で広く応用されています。
自然界や実社会でのボロノイ図に似た構造
キリンの模様
キリンの体表の独特な網目模様は、発生過程での色素細胞の分布と拡散がボロノイ分割に似たパターンを形成すると考えられています。
トンボの翅脈
昆虫の翅(はね)に見られる翅脈(しみゃく)のパターンは、発生時の細胞増殖と分化の制約から生じる構造で、ボロノイ図に類似した区画を形成します。
乾燥した泥のひび割れ
泥が乾燥して収縮する際に生じる亀裂のパターンは、複数の収縮中心からの影響範囲がぶつかり合うことで、ボロノイ図のような多角形の区画を形成します。
泡の構造
多数の石鹸の泡が集まったときの境界面は、表面張力を最小化しようとする結果、ボロノイ図(3次元ではボロノイ胞体)に似た幾何学的配置を取ります。