LangChain入門

更新日:2025年12月16日

本コンテンツは、LangChainおよびLangGraphを用いたLLM(大規模言語モデル)アプリケーション開発の体系的ガイドである。OpenAI APIの基礎から始まり、LangChainの主要コンポーネント、LCEL(LangChain Expression Language)、RAG(検索拡張生成)、AIエージェント、LangGraph、エージェントデザインパターンまでを8章に分けて解説する。実務でLLMアプリケーションを構築するエンジニアを対象とし、理論と実装の両面から知識を整理することを目的とする。

1. 概要

LangChainは2022年10月にHarrison Chaseによって公開されたオープンソースのLLMアプリケーション開発フレームワークである。LLMの入出力を抽象化し、複雑なワークフローを構築するための標準的なインターフェースを提供する。2024年時点でGitHub Star数は90,000を超え、LLMアプリケーション開発のデファクトスタンダードとなっている。

本コンテンツでは、LangChainの基礎から始まり、2024年に導入されたLCEL(LangChain Expression Language)、RAGアプリケーション構築、AIエージェント開発、LangGraphによるグラフベースワークフロー、そしてエージェントデザインパターンまでを8章に分けて解説する。各章は独立して参照可能であるが、順番に学習することで体系的な理解が得られる構成となっている。

2. 章一覧

Table 1. 章構成一覧

タイトル 内容
第1章 LLMアプリケーション概論 LLMの基礎、OpenAI API、プロンプトエンジニアリング、設計パターン
第2章 LangChain基礎 アーキテクチャ、Model I/O、Memory、Tools
第3章 LCEL LangChain Expression Language、Runnable、パイプ演算子
第4章 RAG基礎 検索拡張生成、Embeddings、ベクトルDB、Retriever
第5章 Advanced RAG チャンク戦略、リランキング、ハイブリッド検索、評価手法
第6章 AIエージェント概論 エージェントの定義、ReAct、Function Calling、ツール呼び出し
第7章 LangGraph入門 グラフベースアーキテクチャ、StateGraph、状態管理
第8章 エージェントデザインパターン ReAct、Plan-and-Execute、Reflection、マルチエージェント

3. 前提知識

本コンテンツを効果的に学習するためには、以下の知識が前提となる。

Table 2. 前提知識一覧

分野 内容 推奨レベル
Python 基本構文、クラス、非同期処理、型ヒント 中級以上
LLM ChatGPTの利用経験、トークンの概念 初級以上
API REST API、JSON、HTTPリクエスト 初級以上
環境構築 pip、仮想環境、環境変数 初級以上

4. 参考文献

[1] 西見公宏, 吉田真吾, 大嶋勇樹, "LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門", 技術評論社, 2024.

[2] LangChain Documentation, https://python.langchain.com/docs/

[3] LangGraph Documentation, https://langchain-ai.github.io/langgraph/

[4] OpenAI API Reference, https://platform.openai.com/docs/api-reference

参考・免責事項
本コンテンツは2025年12月時点の情報に基づいて作成されています。LangChainは活発に開発が進められており、APIや機能が変更される可能性があります。最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。