Wake Forest Universityは、ITセキュリティ体制を強化するためにGoogle Workspace for Education Plusへの移行を完了し、大幅なセキュリティ向上とコスト削減を実現したことが報告されました。同大学はこれまで、Google Workspaceとは別のレガシーIDプロバイダーを併用する分断されたアプローチを採用していましたが、この複雑な構成がユーザー体験を損ない、コスト増加とセキュリティリスクをもたらしていました。
主要な改善点
Google Workspace for Education Plusへの移行により、Wake Forest Universityは以下の改善を実現しました:
- 学生記録の保護強化:Context-Aware Accessや Data Loss Prevention (DLP)、管理者向け調査ツールなどの機能により、機密データの保護が強化されました。管理者は悪意のあるアドオンを削除したり、誤って共有されたデータへのアクセスを取り消したりできるようになりました。
- 侵害アカウントの大幅削減:Googleのシングルサインオンと二段階認証により、アカウント侵害が顕著に減少しました。
- 時間とコストの削減:システム管理の効率化により、3年間で推定100万ドル(約1億5000万円)のコスト削減が実現されました。
統合されたセキュリティプラットフォームの利点
Wake Forest Universityの事例では、断片化されたITセキュリティアプローチから統合されたプラットフォームへの移行が、重要なセキュリティ上の利点をもたらしました。特に、以下の点が強調されています:
- 一貫した認証体制:統一されたIDプロバイダーにより、認証プロセスが簡素化され、セキュリティホールが削減されました。
- 可視性の向上:セキュリティイベントやユーザー行動の包括的な可視性が得られるようになりました。
- 対応時間の短縮:セキュリティインシデントへの対応時間が短縮され、潜在的な被害を最小限に抑えられるようになりました。
教育機関向けクラウドセキュリティのトレンド
この事例は、教育機関におけるクラウドセキュリティの重要性が高まっているトレンドを反映しています。特に以下の点が注目されます:
- 統合されたセキュリティアプローチの採用:複数のベンダーやソリューションを組み合わせる従来のアプローチから、統合されたプラットフォームへの移行が進んでいます。
- ゼロトラストセキュリティの実装:Context-Aware Accessなどの機能により、ゼロトラストセキュリティモデルの採用が容易になっています。
- コスト効率と安全性の両立:セキュリティ強化とコスト削減を同時に達成するソリューションへの需要が高まっています。
Wake Forest Universityの事例は、教育機関が限られた予算内でセキュリティを強化するための戦略的アプローチを示しており、特に学生データの保護が重要視される現代の教育環境において参考となるモデルとなっています。