Anthropicは、AIが職業やタスクに与える影響を継続的に測定する「Anthropic Economic Index」の最新レポートを公開しました。今回はClaude 3.7 Sonnetの導入後に観察された傾向に焦点を当てています。

主な調査結果

最新の調査結果では、以下のような傾向が明らかになりました:

全体フロー:職業別タスクへのAIマッピング

O*NETタスクとのマッピングフロー

Claude 3.7 Sonnet導入後の変化

Anthropicは、Claude 3.7 Sonnet導入後の11日間に収集された100万件の匿名化された会話データを分析しました。前回の調査と比較して、以下の変化が見られました:

拡張思考モードの活用状況

Claude 3.7 Sonnetの新機能「拡張思考モード」は、複雑な質問に対してより長時間の思考を可能にします。この機能の利用状況分析では:

拡張思考モードの利用プロセス

タスク分類とインタラクション分析

AIとのインタラクションを「補助的支援(Augmentation)」と「完全自動化(Automation)」に分類した分析では:

インタラクション分類と職種の関係

職業別の特徴的なインタラクションパターン

より詳細な職業別分析では、以下のような特徴が見られました:

新しいボトムアップ・タクソノミー

従来の職業ベース分類に加え、Anthropicは630の行動クラスタを含む新しいボトムアップ分類法を導入しました。この分類法では、O*NETデータベースに含まれていない新しいタスクも捉えることができます。特徴的なクラスタ例:

タスククラスタの階層構造(簡略版)

今後の展望と研究者募集

Anthropicは今後もこの指標を継続的に更新し、モデル能力の向上と経済全体への応用が進むにつれて新しい指標を開発していく予定です。同社は労働市場へのAIの影響を研究する社会的影響研究者、研究エンジニア、経済学者を募集しています。

出典: Anthropic - Economic Index Update(2025年3月28日)

関連リポジトリ: GitHub - OpenAI